雲内における雪結晶の自由落下成長を再現できる風洞を用いて、主枝形態や副枝密度により多様な形態を有する樹枝状雪結晶の成長条件を明らかにした。実験温度は-12°~-16.5°Cである。水飽和条件下では樹枝状結晶の形態は主に気温に依っていた。-14.2°C付近の羊歯六花を中心に樹枝六花、星六花、広幅六花、扇六花が対称に分布する。成長時間が5分から10分、20分と伸びるにつれて、副枝密度の高い結晶の成長領域が拡がる。また、水に対して未飽和条件下で行った実験でも羊歯六花や樹枝六花、星六花、広幅六花が成長し、結晶形は気温ばかりでなく、氷に対する過飽和水蒸気量にも依存することが示された。
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