研究課題/領域番号 |
16K05565
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
小原 隆博 東北大学, 理学研究科, 教授 (50194626)
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研究分担者 |
熊本 篤志 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00302076)
加藤 雄人 東北大学, 理学研究科, 准教授 (60378982)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | あけぼの衛星 / プラズマ波動 / 太陽電波 / 磁気圏波動 / オーロラ電波 |
研究実績の概要 |
2年次は、初年度に引き続き、プラズマ波動観測データ(PWS データ・ISAS DRATS 経由で公開)から各種波動イベントを識別し、i) 太陽電波、ii) 磁気嵐に固有のプラズマ波動現象、iii) オーロラ電波 の発生状況を把握するとともに、東北大惑星プラズマ・大気研究センターが所有する、太陽電波望遠鏡の観測データについて、衛星観測データと対応を取る形で整理し、地上観測のデータベースとして構築した。また、理論計算を進めるべく、波動発生のシミュレーションコードを開発した。以上の取り組みから、以下のような具体的な成果を得た。i) 太陽電波については、太陽電波の発生領域の同定、電波発生機構の検証を行ったが、太陽フレア発生後のフレアループからの特殊な電磁放射(Type IV 型電波の解析による)の発生機構が明らかになった事が主たる成果である。特に、構造に由来する微細構造の研究は、新しい発見であった。ii) 内部磁気圏(プラズマ圏、ヴァン・アレン帯帯)においては、放射線帯電子変動に焦点を当て、静電波動の発生機構、ホイッスラーモード低周波プラズマ波動の出現特性、ヴァン・アレン帯MeV 電子変動と波動の関係、プラズマ圏粒子の宇宙空間への流出に関する研究を進めた。iii) オーロラ電波発生機構については、オーロラに伴う電波の地上と衛星による同時観測、オーロラ電波の発生域の能動観測を行い、それらの研究は新規人工衛星搭載機器開発に反映された。結果を学会では発表すると共に、学術論文として出版した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
i) 太陽電波、ii) 磁気嵐に固有のプラズマ波動現象、iii) オーロラ電波 のそれぞれについて、多数例の現象を解析し、新たな発見を含む形で研究を展開することが出来た。 具体的には、太陽電波の発生領域の同定、電波発生機構の検証、放射線帯電子変動の詳細、オーロラ電波発生機構の確認を行ない、数編の論文を公表した。
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今後の研究の推進方策 |
太陽活動の長期変動の視点から、太陽活動極大期・極小期における、太陽地球関係を明らかにする。統計的な描像にとどまらず、素過程における差異に迫る。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者・分担者による論文印刷料を想定していたが、出版が、2018年4月以降にずれ込んだ。平成30年度には、複数編の論文が印刷される予定で、今回の繰り越し金を充当する。
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