研究課題
MAVEN観測データ解析を実施し、超高層大気中の大気組成比の変動を調べた。その結果、微量大気成分の混合比が季節・場所により一桁以上大きく変動することを明らかにし、それら変動が下層大気の変動に伴う均一圏界面高度の変化によって説明可能であることを提案した。水蒸気に代表される微量大気成分が散逸しやすい時空間特徴の理解に貢献する成果であり、国内外で成果報告、学術雑誌に投稿準備を進めた。また、今年発生した全球的な砂嵐に伴う水蒸気の超高層での爆発的な増大過程をTGO観測データ解析により明らかにした。同位体の高度分布を明らかにしたのは今回が初めてであり、青木連携研究者が中心に貢献した本研究はNatureに投稿され受理された。加えて、この全球砂嵐に伴う背景場の変化を連続的に監視するため、本研究で開発を推進したヘテロダイン分光による地上観測を6・8・9・10・11月に連続実施した。その結果、モデルでは再現できない中間圏加熱の様子を捉えることに成功した。同時にALMA地上観測を実施、ヘテロダインとは異なる高度の全球風速分布を導出することで、異なる3つの高度の風速場を明らかにし、鉛直輸送に制約を与える試みを行った。これらは国内外で成果を報告し、特集号への投稿準備を進めた。MAVEN観測データ解析により推進してきた大気波動擾乱結果について、数値モデルとの不一致が原因で不採択が続いたため、観測結果を中心にまとめなおし、投稿準備を進めた。加えて、夏半球の夜側中間圏においてモデルの予測値よりも30-40Kも高い異常昇温を赤道域に新たに発見した。この熱構造が中間圏の水蒸気遊離層を形成し、水散逸の新たな散逸パスの重要な貯蔵庫となっていることを示唆した。ヘテロダインによる連続監視のため、冷凍機試験を実施した。放射遮蔽対策をこうじたことで目標温度まで到達し、完全リモート制御型の試作機を設計した。
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Nature
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