オーロラの急激な増光を伴う、サブストームと呼ばれる一連の活動は、成長相・拡大相・回復相の3つの時間帯で構成されている。本研究が着目する回復相には、輝度が明滅するオーロラや、不規則な水平構造(パッチ)を持ったオーロラが現れる。本研究は、このパッチ状オーロラに着目し、その周辺で発生する、磁気圏、電離圏、熱圏の間でのエネルギー収支を、観測的に研究した。欧州非干渉散乱(EISCAT)レーダー、高感度カメラ・ファブリペロー干渉計(FPI)を組合わせた観測実験を実施し、パッチ状オーロラには数百keVの高エネルギー電子の降込みが含まれ、下部熱圏の風速変動がそれと連動していることが分かった。
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