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2022 年度 実績報告書

付加体の終焉と再生のアルゴリズム

研究課題

研究課題/領域番号 16K05579
研究機関山口大学

研究代表者

脇田 浩二  山口大学, 地域未来創生センター, 教授(特命) (80358366)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワード秋吉帯 / 付加体 / ペルム紀 / 秋吉石灰岩 / 逆転構造
研究実績の概要

令和4年度は、本研究の最終年度にあたり、これまでの成果のとりまとめを中心とし、これまでの研究成果を補完するための地質調査を若干実施した。本年度研究対象とした、秋吉帯のペルム紀付加体の特徴は、巨大な石灰岩体を伴っていることである。中国地方では秋吉・帝釈・阿哲、九州では平尾台、信越では青海などの石灰岩が知られている。いずれも石炭紀からペルム紀までの層序を保ち、約8000-9000万年もの間海山の上で石灰礁を発達させていることが分かっている。このことは、海洋プレートが冷却によって重さと比重を増し次第に沈み、海底が深くなるにも関わらず、海山の頂部は海面ぎりぎりの深さを保っていたことを示している。このことは、同時に高さ数1000mの巨大海底火山(海山)がペルム紀に収束境界にさしかかり、石灰礁が剥ぎ取られ、陸側に付加したことを示している。このような巨大海山の衝突と付加は、現在の海洋底では知られておらず、未知の領域の出来事である。そして、この巨大海山が衝突し、石灰礁が剥ぎ取られ、付加したあと、地層の逆転が生じたことが、小澤(1923)によって明らかにされている。この地質学創世記の研究が与えたインパクトとナゾは、付加体という概念が根付いた現在までも継続している。本研究によって、このナゾに新たなナゾが加えられた。海洋プレート層序の逆転である。小澤(1923)がその存在を明らかにし、多くの研究者が確かめた石灰岩の逆転構造以外に、秋吉石灰岩の北方に分布する別府層や、西方に分布する常森層も逆転していることが明らかになった。このことは、これまで考えられていた石灰岩の逆転構造ではなく、付加体全体が逆転していることが明らかになってきた。本年度の研究では、アメリカ地球物理学会の秋季大会にて口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Geological History of the Late Paleozoic Convergent Margin along the Proto-Japan Arc2022

    • 著者名/発表者名
      Koji Wakita, Hokuto Obara
    • 学会等名
      American Geophysical Union 2022 Fall Meeting
    • 国際学会
  • [図書] 日本列島地質総覧-地史・地質環境・資源・災害-2022

    • 著者名/発表者名
      加藤碵一・脇田浩二・斎藤眞・高木哲一・水野清秀・宮崎一博 (編集)
    • 総ページ数
      460
    • 出版者
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-16277-6

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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