研究課題
この研究課題の最終年度では、JAMSTEC船舶などによる、マンガンクラスト・団塊の海洋調査航海・実験と連携して、現場データ取得と現場サンプル分析が実現できたことは、極めて有利な状況であった。同時に世界レベルの解像度と精度を持つナノレベルの分析、解析を三機関(高知大学海洋コアセンター、海洋研究開発機構、東京大学地球惑星科学専攻)で連携しつつ実施することができた。これらの成果に基づいて、多様な起源と生成環境の影響を受けて生成した海底マンガン鉱床の性状、成長、金属濃集のメカニズムを、従来より極めて明快に描くことが可能となった。具体的には、我々が提唱している生成モデル、つまり、現世海洋の広い海域、水深帯において、鉄マンガン酸化物の沈積が生じていて、それらが連続的に積層することによって、長期間、大きく途切れることなく成長をする、というプロセスの検証を行った。このモデルの検証は、これらを金属鉱床(コバルトリッチマンガンクラストやマンガン団塊)としての多様性の要因を説明することにもつながった。科研費課題と並行して、省庁横断型の海洋探査技術(SIP)や我が国の海底資源探査事業などとも連携しながら、共同研究を進めることができ、北西太平洋の事例研究を複数実施したことになり、グローバルな生成環境を描くための重要な基礎データを取得した。とくに、東京大学では、ナノスケールの鉱物の構造と微生物代謝への関与を、JAMSTECでは現場実験も含めた有用元素の吸着構造の解明を、高知大学ではミクロスケールの成長構造と地質環境変動との関連を主な研究目標とし、多くの成果を得た。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 9件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Chemical Geology
巻: 511 ページ: 190~203
10.1016/j.chemgeo.2019.01.007
新・地殻 2019年 第5号
巻: 2019 ページ: p.2-8
Marine Georesources & Geotechnology
巻: 36 ページ: 768~780
doi.org/10.1080/1064119X.2017.1378781
Earth, Planets and Space
巻: 70 ページ: 165
10.1186/s40623-018-0924-3
Microbes and Environments
巻: 33 ページ: 366~377
10.1264/jsme2.ME18090
Proc. Intl. Offshore Polar Engr. Conf. 2018
巻: 2018 ページ: 81~85
巻: 2018 ページ: 57~62
ACS Earth and Space Chemistry
巻: 3 ページ: 29~38
10.1021/acsearthspacechem.8b00119
http://www.cc.kochi-u.ac.jp/~a-usui/