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2021 年度 実施状況報告書

前期-中期中新世西南日本弧解体新書:変動帯堆積学と古生態学のフロンティアを拓く

研究課題

研究課題/領域番号 16K05591
研究機関高知大学

研究代表者

奈良 正和  高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90314947)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2023-03-31
キーワード生痕学 / 古生態学 / 堆積地質学 / 古生物学 / 古環境学
研究実績の概要

本研究は野外調査が最も重要な研究手段である.しかし,2019年度途中から世界的に猖獗をきわめたCOVID-19と所属先の内規による出張禁止措置により,野外での研究活動が十分に行えなくなり,結果として最終年度における研究費の一部を翌年度に繰り越すこととなった.2021年度における本研究課題での活動は,このような背景によって限られたものとなった.
さて,この年度には,三崎層群の潮流卓越堆積相の観察を行い,そこに見られる生痕化石群を観察した.ここで特筆されるのは,埋在ウニ類の生痕化石とされるBichordites類に同定される可能性のある生痕化石と十脚目甲殻類の生痕化石であるOphiororpha類に連続して産する漏斗状構造である.このうち後者は,2016年に調査を行った銚子層群に産する極めて特徴的な形態を有する生痕種を理解する上で重要な役割を果たす可能性がある.
また,三崎層群の沖浜堆積物からは,周囲の砂岩層に比べて有意に厚い厚層砂岩も新たに見出した.この厚層砂岩は,通常,沖浜域で生じることの少ない高い営力で特徴づけられるイベント(例えば津波)による堆積物の可能性がある.さらに,東海地方に分布する師崎層群の深海堆積物露出域でも調査を行い,極めて保存状態の良い深海性動物化石群を胚胎することで従来から知られてきた極厚層砂岩が,深海域における混濁流と津波との複合した流れによって形成された可能性があることもあらたに見出した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究では,各地での野外調査が根幹をなすが,今年度もまたCOVID-19による出張制限が生じ十分な調査日程が組めなかったため.

今後の研究の推進方策

上記の理由により,来年度にも一部研究費を繰り越すこととなった.しかし,来年度はCOVID-19に関する行動制限が緩和されるようである.したがって,可能な限り野外調査を行うとともに,International Palaeontological Congressなどの国際会議において最終的な成果の講演,論文の積極的な執筆などを行っていきたい.

次年度使用額が生じた理由

この年度もCOVID-19とそれに伴う所属期間の出張制限により,本研究の根幹である野外調査が十分にできなかったことが理由である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Diversity of phosphagen kinases in annelids: The first sequence report for a putative opheline kinase2022

    • 著者名/発表者名
      Yano Daichi、Uda Kouji、Nara Masakazu、Suzuki Tomohiko
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology Part B: Biochemistry and Molecular Biology

      巻: 257 ページ: 110662~110662

    • DOI

      10.1016/j.cbpb.2021.110662

    • 査読あり
  • [学会発表] 下部中新統師崎層群の深海動 物化石発掘調査2022

    • 著者名/発表者名
      大路樹生・吉田英一・前田晴良・森 勇一・蜂 矢喜一郎・水野吉昭・田中源吾・田中里志・山田敏 弘・奈良正和・内田臣一・星 博幸・氏原 温・齊藤 毅・川瀬基弘・子安和弘・加藤 萌・村宮悠介・山岡 雅俊・安藤佑介・一田昌宏・宇佐美徹・林 常喜・牧 口貴久・市村駿汰
    • 学会等名
      日本古生物学会第171回例会

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公開日: 2022-12-28  

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