放散虫(ポリキスティナ)は古環境解析や生層序学的に重要であり,殻形質の記載は光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡が使われてきた.高解像型X線マイクロCTによるスキャン技術の放散虫記載ツールとしての有用性に着目し,分類形質を3次元で描写する,第3の記載手段とすることを目的とした.その結果,解像度はナノメートルオーダーに達し,放散虫殻の全形質を描写可能となった.球状ナセラリアでの検討では,非破壊で球状殻内部のinitial spiculeを初めて記録した.これらの成果は国際放散虫研究集会の特設ブースで紹介し,国内外の専門家から大きな反響を得た.
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