研究課題
始原的な小惑星の初期母天体活動を理解するために、始原的コンドライト隕石における2次的な水質変成および熱変成の評価を行った。隕石種の中で最も始原的と考えられるCRコンドライト隕石種の9つの試料について、ラマン測定およびSEM、EPMAによる鉱物学的特徴から、2次変成の岩石学タイプを推定した。その結果、二つの隕石試料Y-793495とA-881828が熱変成や水質変成の影響が殆ど見られず、最も始原的であることを示し、この隕石についての詳細な鉱物学的特徴を記載した。特に、マトリックスやコンドリュールの特徴から、コンドリュールに含まれるシリカ層及び層状リムは、太陽系星雲内で形成された可能性が高く、これらの存在が始原性を特徴付ける鍵となることを証明した。また並行して、小惑星物質の社会に与える影響についても考察を行った。明治時代に白萩隕石から作成された流星刀に関する実地調査を行い、流星刀が製作された背景やその作業過程について分析した。これらの結果を取りまとめ、第82回国際隕石学会及び第10回極域科学シンポジウム、第51回月惑星会議(新型コロナの影響のためオンライン発表)にて報告を行った。
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