南西インド洋海嶺のアトランティス・バンクから掘削採取された下部地殻斑れい岩類中に,黒雲母と黒雲母―緑泥石混合相が広範囲にわたって産出していることを発見した。詳細な顕微鏡観察と化学分析,熱力学的解析を行った結果,斑れい岩中のかんらん石と斜長石が700-800℃程度の高温で,分化したマグマから派生したシリカとカリに富む水溶性流体と反応して黒雲母が生成したことが明らかになった。 また東太平洋海膨のヘス・ディープ・リフトの斑れい岩と,大江山オフィオライトのかんらん岩における蛇紋石化作用を解析し,アトランティス・バンクの斑れい岩と比較することにより,地域間や岩相間の低温変質作用の差異を明らかにした。
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