地震発生領域直下の下部地殻における延性剪断帯の発生・発達過程は,内陸地震の発生において本質的に重要である.本研究では,天然の変形岩試料の解析を通して,下部地殻上部での延性剪断帯の発生・発達過程の解明を目的とした.下部地殻条件で形成された延性剪断帯が卓越するノルウェー北部ロフォーテン諸島・ベステローデン諸島において地質調査と変形岩試料の採取を行い,採取された変形岩(主に斜長岩マイロナイト)に対して,SEM-EDS,WDS,EBSDなどを用いた構造地質学的・岩石学的解析を行った.その結果,下部地殻の延性剪断帯の発生・発達過程においては,動的破壊が重要であることが明らかとなった.
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