電子デバイスの製造現場では、静電気を抑止するため空気イオナイザが用いられているが、有機系デバイスの製造では、酸素が有機材料を劣化させるため空気が使えない問題があった。酸素に代わる負性ガスが求められていた。 筆者らは酸素より電子親和力が高く無毒・不活性で、地球環境に優しいトリフルオロヨードメタン(CF3I)に注目し、CF3I をイオナイザ除電の雰囲気ガスとして用いる研究を初めて実施した。その結果、CF3Iは低エネルギー電子との解離性電子付着反応で効率よくI-イオンを生成し、酸素の1/100以下の低濃度でも除電が可能であった。イオナイザ用負性ガスとして実用性が高いことが判明した。
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