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2018 年度 実績報告書

非一様磁場を印加したコンプレックス・プラズマにおける微粒子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K05629
研究機関宇都宮大学

研究代表者

齋藤 和史  宇都宮大学, 工学部, 助教 (70251080)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード微粒子プラズマ / 非一様磁場 / 帯電量 / 加速機構
研究実績の概要

永久磁石を複数個用いて非一様磁場を微粒子プラズマに印加し、そのような場における微粒子の挙動を明らかにする目的で研究を行った。
本研究によって、以下のようなことを明らかにすることができた。一つは、このような実験においては、境界における閉じ込め電場が非常に重要であることである。単一の磁石の場合、円形の閉じ込め電極の中心に永久磁石を置けば微粒子の分布は軸対称となるが、複数の磁石を用いる場合には、閉じ込め電極を工夫するなどしたが対称な分布を形成することが困難であった。
また、磁石の極性を平行にした場合と反平行にした場合について、以下のことが明らかとなった。すなわち、平行の場合には、予想された通り二つの磁石が近づくにつれて微粒子は磁石のサイズが大きくなった単一の磁石の場合と同様の振舞を示した。一方、反平行の場合には、二つの磁石に挟まれた領域に存在する微粒は磁石の中心を結ぶ直線に対して垂線方向に加速された。その加速は非常に大きいため通常の閉じ込め電場では閉じ込めきれず、加速された微粒子は実験領域外へ飛び去ってしまった。この結果は、今後の微粒子プラズマの実験的研究に微粒子の加速機構として有用である。
さらに、本研究の副次的な成果として、比較的容易に実験領域中の微粒子の帯電量を計測する手法を見出した。この手法の特徴として、一つ目は、個々の帯電量を評価するのではなく実験領域中の微粒子の平均帯電量を求めるものであること。二つ目は微粒子プラズマ振動を励起するための励起グリッドと励起された振動を計測するためのイオン飽和電流を計測するプローブがあればよく、システムとして非常に簡単であることである。微粒子プラズマの基礎研究で用いられることの多いRFプラズマ中ではイオンと中性粒子の衝突効果が無視できないこと、中性ガス圧が低い直流放電プラズマではイオンと中性粒子の衝突効果を無視できることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] A simple method of dust charge estimation using an externally applied oscillating electric field2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Saitou
    • 雑誌名

      Physics of Plasmas

      巻: 25 ページ: 073701-1-5

    • DOI

      10.1063/1.5037020

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Motions of dust particles in nonuniform magnetic field and applicability of smoothed particle hydrodynamics simulation2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Saitou
    • 雑誌名

      AIP Conference Proceedings

      巻: 1925 ページ: 02009-1-5

    • DOI

      10.1063/1.5020397

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] プラズマ中の微粒子の帯電量への イオン-中性粒子衝突とイオン温度の効果2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤和史
    • 学会等名
      日本物理学会
  • [学会発表] A New Estimation Method of an Averaged Charge of Dust Particles2018

    • 著者名/発表者名
      Yoshifumi Saitou
    • 学会等名
      Intern. Cong. Plasma Phys.
    • 国際学会
  • [学会発表] 微粒子の新しい平均帯電量評価法2018

    • 著者名/発表者名
      齋藤和史
    • 学会等名
      日本物理学会

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公開日: 2019-12-27  

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