分子の反応性や物性は分子の構造や電子状態により決まるが、溶液中では反応速度や生成物が溶媒の種類により影響を受ける溶媒効果が存在する。その際、溶媒は単に溶質を溶かすためだけにあるのではなく、分子としての個性をもって溶質分子と相互作用する。よって、溶媒効果の本質を理解するためには、溶質分子と溶媒分子との間の分子間の相互作用を考える必要がある。本研究では溶質溶媒分子間ならびに溶媒分子間相互作用に伴う高分子の立体構造の柔軟な変化を研究するために、イオンと高分子からなる錯体イオンの立体構造を観測可能な低温イオン移動度質量分析装置を製作した。
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