単一微小液滴は微小な光共振器と見なすことができる.光共振器内で生じる光の増幅を利用することによって,液滴内部に溶存した分子の高感度検出が可能となる.本研究では,我々が開発した3次元イオントラップ・顕微分光装置を用いることで,既存の装置に比べて,微小液滴に溶存した分子を約80倍の感度で検出することに成功した.また,液滴に照射した励起光が示す励起光共鳴を幅広いサイズ領域で定量的に計測することに成功した.モデル生体膜研究の1つとして,液滴に気液界面に両親媒性色素を吸着させ,色素分子間のエネルギー移動を観測したところ,微小液滴では,バルク溶液と比べて効率的にエネルギー移動が生じていることを見出した.
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