研究課題
基盤研究(C)
中赤外領域での振動スペクトルを測定することで、核酸塩基対の立体構造をより顕著に反映するようなマーカーバンドを見出すことを目的とした.対象はグアニンを含む塩基対,9-メチルグアニン2量体[(9MG)2]と9-メチルグアニン-1-メチルシトシンWatson-Crick (WC)型塩基対[(9MG)(1MC)]である.その結果、塩基対を生成したり水和したりすると内部座標の寄与の割合が大きく変化する.従って単純にCO伸縮に局在化した振動と帰属できないことを示しており,詳細なPED解析が必要である.
分子分光学
核酸塩基の高次構造を決定するためには、これまで共鳴ラマンスペクトルが多く用いられており、特に中赤外領域に現れる特徴的な振動バンド(ラマンマーカーバンドとよばれる)の解析が有効である。本研究では赤外スペクトルにおいても同様なマーカーバンドが存在すること、特に溶液中や結晶では困難な振動モードの詳細な解析が、気相における中赤外領域の振動バンドを観測することで可能であることを示した。