炭素の化学はいわゆる有機化学として体系化され、よく理解されてきた。一方で、典型元素と呼ばれる元素群は一般に同族元素でよく似た性質を示す事が知られている一方で、有機化合物の中心的元素である炭素、窒素、酸素などの第2周期元素と、第3周期以降の重い元素では異なる性質を示すことも見出されている。炭素の化学、すなわち有機化学をより深く理解するためには、第3周期以降の重い元素の化合物の化学との比較元素論的研究も重要である。本研究における炭素と同族元素でより重いケイ素やゲルマニウムなどを骨格とする高周期14族元素化合物の合成法の開発、構造化学的。反応化学的研究を行うことの学術的意義は十分に高いと考えている。
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