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2018 年度 実績報告書

芳香族ジイミドを基盤とした高次構造体の光メカニカル効果と可逆的な光化学反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K05699
研究機関九州大学

研究代表者

五島 健太  九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (30380538)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードアクチュエータ / 光メカニカル効果 / 芳香族イミド
研究実績の概要

物質が, 光照射により形状・大きさの変化あるいは機械的応答を示す現象は光メカニカル効果と呼ばれる. このような物質は, エネルギーを機械的運動に変換するための媒体として重要な役割を果たす. 人工筋肉, アクチュエータなどの動的な能動素子として有力な候補である. 機械的応答は分子レベルの運動に誘発される局所的な化学変化に由来し, それが巨視的な形状歪みへと転写される.
本系での光照射による機械的応答の推進力は, ラジカル種による静電的な相互作用による電荷の反発あるいは分子の再配列であると提案している. 加えて分子間に側鎖のアミノ基が近接するとメカニカル効果を示すことが知見として得られている. 前年度は結晶中の分子の集積構造の違いにより巨視的な応答が異なることを見出した. 具体的には相転移により結晶内の分子の配列が大きく変化する. この環境の違いにより光照射後のラジカル種の構造も変化し, そのスピン種の構造と緩和過程は機械的応答を評価するのに重要な因子であることを明らかにした. これは分子レベルのミクロなシグナルと結晶の屈曲というマクロな応答とを結びつけるという本研究の最大の成果であり, 目的を達成するに十分であると思われる(計画1).
これまで巨視的応答は結晶の屈曲角度あるいは元の位置からの変位で評価を行ってきたが, 他の評価方法についても試みた. すなわち巨視的な応答により発する力の計測である. 具体的にはピエゾ素子による応力の計測を行った. しかしながら結晶の取り付け時の困難さや劈開により再現性に乏しい結果であった. 今後はナノマイクロ分野の計測技術を取り入れて検討する必要がある.
次に計画2・3の両親媒性側鎖を有する芳香族イミド類の合成であるが, 非対称なアミン類の簡便な合成法の確立に成功した. これらを用いて芳香族部位に逐次導入する方法で検討を行う.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] メカニカル結晶の緩和現象2018

    • 著者名/発表者名
      五島健太・谷文都
    • 学会等名
      第12回分子科学討論会

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公開日: 2019-12-27  

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