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2017 年度 実施状況報告書

アルブミン変異体を用いる効率的な不斉ニトロアルドール反応に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K05706
研究機関明星大学

研究代表者

松本 一嗣  明星大学, 理工学部, 教授 (90260215)

研究分担者 須賀 則之  明星大学, 理工学部, 准教授 (00396219)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードヒト血清アルブミン / ニトロアルドール反応 / ピキア酵母 / 光学活性ニトロアルコール / 組換えタンパク質
研究実績の概要

前年度までにピキア酵母の組換えタンパク質発現株RKY005をpPICZαAプラスミド(Invitrogen)により構築した。この株から分泌発現したHSAを硫安沈殿と脱塩カラムにより粗精製したHSAでは、ニトロアルドール反応の不斉触媒活性が得られなかった。粗精製画分に塩やその他の阻害物質が含まれており、さらなる精製が必要であると考えられ、より多くのHSAを発現する株が必要となった。そこで、さらに発現量を増やすため新たな発現系であるPichiaPink Expression System(Invitrogen)の構築を進めた。pPink-HC及びpPink-LCプラスミドにHSA遺伝子を分泌シグナルを残したままクローニングし、pTH037とpTH038を構築した。さらに、pTH038をピキアピンク株1と4に導入し、HSA分泌発現候補株を複数得た。現在、これら候補株から、HSAを大量に分泌発現するピキア酵母株を選択している。一方、不斉ニトロアルドール反応の活性測定のための反応系の構築も行った。最もエナンチオ選択性が高い結果を与える、4-phenylbenzaldehydeを基質として反応条件を最適化することで、少量のHSAを用いる反応でも、十分な反応性を示すことを明らかにした。これにより、反応を簡便にアッセイすることが可能になった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

不斉触媒活性を有するHSAの大量調製のための新規発現株候補が得られている。これら株からHSAを大量に精製し、精製ステップを多段階にすることにより、活性を有するHSAを調製できると考えている。また、不斉反応の簡便なアッセイ系の構築も達成しており、調整したHASを用いた活性測定を容易に可能だと考えている。

今後の研究の推進方策

・得られた候補株からHSAを大量に発現するピキア酵母株を選択する
・得られたピキア酵母株から、多段階の精製を行い、大量のHSAを調製する。
・そのHSAのニトロアルドール反応の不斉触媒活性を調べる。
・不斉活性触媒活性を有すHSAが調製され次第、そのピキアピンク発現系でのHSA変異体の発現株の構築を進める。
・様々な芳香族アルデヒドを用いた反応を行い、有用な種々の光学活性ニトロアルコールを合成する。

次年度使用額が生じた理由

(理由)年度末に行う予定だった実験が、仕事の都合上、行うことができなかったので、その分、次年度繰り越す必要が生じたため。
(使用計画)次年度早々に予定の実験を行うので、その分の試薬を購入する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] アルブミン触媒による不斉ニトロアルドール反応を利用した光学活性ビフェニル誘導体の合成2018

    • 著者名/発表者名
      松本一嗣,北林亮太,朝倉翔太,原田徳将,須賀則之,田代 充
    • 学会等名
      日本化学会第98春季年会,3D4-52,2018年3月(船橋)
  • [学会発表] リパーゼとアルブミンを組み合わせたエノールエステルの不斉加水分解2018

    • 著者名/発表者名
      松本一嗣,今村優太,テサロナ・マーベリック・キエル・アルベルト,中村静太郎,土屋仁美
    • 学会等名
      日本化学会第98春季年会,3D4-53,2018年3月(船橋)
  • [学会発表] ヒト血清アルブミンによる不斉ニトロアルドール反応2017

    • 著者名/発表者名
      松本一嗣,朝倉翔太,原田徳将,北林亮太,須賀則之,田代 充
    • 学会等名
      第19回生体触媒化学シンポジウム,OL-4,2017年12月(長崎)

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公開日: 2018-12-17  

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