研究成果の概要 |
電荷双安定性が期待される化合物系として擬一次元ハロゲン架橋金属錯体において、新電子相の発現を目指し、新規錯体の開発を行った。2,3-diaminobutane-1,4-diol(dabdOH)配位子を用いて臭素架橋パラジウム錯体において350Kまで安定な平均原子価状態をとる錯体の合成に成功した。この錯体では、ヒドロキシ基と対アニオンとの間に水素結合が存在した結果、Pd-Pd間距離が5.18オングストロームとこれまでに知られているPd-Br錯体のうち最も短くなり、平均原子価状態が安定化されていることが明らかとなった。本錯体は既存のMX錯体中最も電気伝導度が高いことが明らかとなった。
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