研究課題
金属錯体の光化学反応研究において、金属-配位子間結合の活性化は、これまで主に金属カルボニル錯体の光CO解離(電子遷移)や金属-金属、金属-炭素結合の光均一化開裂(1光子1電子移動過程)に関する基礎研究があるものの、金属ヒドリド錯体の光化学研究は未だ探求の余地が残されている。生じる配位不飽和錯体は、多くの触媒反応活性種としての利用も期待できる。したがって、金属錯体の反応性や触媒特性を最適化して水素放出を抑制し、協同触媒作用も利用して、高効率1光子多電子還元を実現することが期待できる。ギ酸、ホルムアルデヒド、メタノール等のC1化合物として選択的に液化固定できれば、温室効果ガスを削減して地球温暖化の抑制に寄与できる。これまでに二酸化炭素の触媒的還元によって一酸化炭素の選択的生成を可能とする人工光合成型光電気化学触媒系の構築に成功したが、1光子多電子還元の進行の観測には、レーザー時間分解分光計測が不可欠であることがわかり、その後、特にサブナノ秒の時間分解能を有する最新の分光計測技術を取り入れることで光触媒反応機構解明について研究が進展して多数の論文発表を行った。また、金属錯体やその配位圏が固体結晶状態で可動な新規な光応答性分子性材料を実現し、持続可能な触媒系構築への展開も図った。
すべて 2020 2019 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (24件) (うち国際学会 8件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Angewandte Chemie International Edition
巻: Early View ページ: -
10.1002/anie.202000943
Green Chemistry
10.1039/D0GC01500H
ACS Applied Materials & Interfaces
巻: 12 ページ: 9489~9497
10.1021/acsami.9b18993
The Journal of Physical Chemistry A
巻: 124 ページ: 46~55
10.1021/acs.jpca.9b09846
Spectrochimica Acta Part A: Molecular and Biomolecular Spectroscopy
巻: 220 ページ: 117127~117127
10.1016/j.saa.2019.05.032
RSC Advances
巻: 9 ページ: 21733~21740
10.1039/c9ra03701b
Chemical Physics Letters
巻: 731 ページ: 136578~136578
10.1016/j.cplett.2019.07.006
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 59 ページ: SDDB01~SDDB01
10.7567/1347-4065/ab5506
巻: 9 ページ: 32940~32945
10.1039/c9ra06258k
Journal of Photochemistry and Photobiology A: Chemistry
巻: 376 ページ: 324~332
10.1016/j.jphotochem.2019.03.021
https://www.facebook.com/Engineering.OsakaUniversity/posts/2416710311982614/