金属はこれまで広く触媒として用いられ、ナノ粒子などの発展が著しい。また錯体触媒のように、単一の金属原子あるいはイオンを有機物構造に精密に取り込むことで、高活性、あるいは選択性の高い反応空間を構築するという方法も非常に成功を収めている。しかし、構造に柔軟性の高い金属表面と有機物の組み合わせによって反応空間を構築する方法はまだ未発展の分野である。本研究の成果は、有機物と金属表面を近接するが吸着しないストレスのある反応場を構築すれば高活性を発現しうること、また多様性とともに精密設計の可能な有機物を選択して金属表面に配置することでその触媒活性をチューニングできることを示している。
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