研究実績の概要 |
本年度は単結晶表面における初期段階のSURMOF の構造解明に重点をおきながら、2次元PCP/MOFの境界面構造のモデル構築について研究を進めた。まず、1)初期段階のSURMOFについては、Au(100)単結晶を4-mercaptobenzoic acidで修飾した自己組織単分子膜表面に、LPE法により[Cu2(bdc)2dabco]n薄膜が形成できることをPM-FTIR-RAS, XPSにより明らかにした(ECS Transaction, 75, 2017)。一方、新たな系として、吸着やセンサー、光触媒反応などに機能を有するFe-MIL(ACS Catal., 2(2012)1910; J. Am. Chem. Soc.,134(2012)20701)を取り上げ、単結晶TiO2(110)表面にLPE法による薄膜化に取り組んだ。全反射蛍光XAFSの結果、薄膜化の初期段階からバルク構造に近い構造が形成することを捉えた。 2)2次元PCP/MOFの境界面構造のモデル構築については、Catecholで修飾したTiO2(110)表面に高電気伝導性や電荷貯蔵の特性を有することが知られている2次元Ni-HTTP-MOF(Chem. Mat., 24(2012)3511) を取り上げ、LPEによる2次元MOF薄膜の作成を試みた。しかし、TiO2(110)表面ではNi-HTTPの形成は認められず、今後、反応条件や基板をAu(111)やSi(100)に切り替えMOF薄膜化にチャレンジする。
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