今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は、発光量子収量 Φ ≧ 40%の実現及び、発光色のマルチカラー化を併せて展開する。準備研究では、d = 35-500 nm のEu@Y2O3に対して Φ = 27% が得られている。発光マーカーとして使うためには、Φ ≧ 40% が必要とされている。Φ の向上は、Y2O3 母材中へのEuのドープ比の改良により達成できる。 ドープする希土類を、Ln = Eu, Tb, Er, Dy, 及びそれらを共ドープすることで、可視光の広い領域(500-700 nm)にわたる発光色を用意する。 さらに、合成したナノ粒子を植物(イネ科作物)に投与する。準備研究では、根の組織において、UV 励起によりEu の発光が観察された。本研究でd ≦ 10 nm の粒子が実現できれば、粒径が小さく、末端組織まで運搬されるので、茎や葉へも標識されるはずである。
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