グラフェンおよびその誘導体である酸化グラフェンについて局在スピン磁性と化学構造の相関を調べたところ,官能基に依存した特異なグラフェンの局在磁性を発見し,これは官能基に依存してグラフェン格子の位相幾何学的特徴が変調されるためであることが分かった.これらの磁性評価の結果にもとづき,化学活性な局在状態を生じる水酸基を導入したグラフェンを触媒として用いて芳香族アミンの酸化カップリングによるイミン合成反応を行い,多数の反応条件における収率と磁気測定の結果を合わせて系統的な解析を行ったところ,反応機構においては反応途中に取り込まれる窒素の存在も触媒活性に大きな影響を与えていることを明らかにした.
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