イミダゾ[1,5-a]ピリジンから導かれるカルベンは、他の一般的なNHCとは異なる電子的性質を示すことが予想されたため、実際それら化合物を合成し、物性評価を展開した。合成はわれわれが以前開発した手法が適用でき、様々な誘導体を合成した後にNHC型カルベンに誘導した。得られたカルベンのロジウムカルボニル錯体の各種スペクトルならびに分子軌道計算から見積もられたドナーアクセプター性軌道のエネルギー準位の変化から、これらカルベンは実際に他のNHCとは異なる高いアクセプター性を持つことが明らかになった。得られた結果をもとに、触媒反応を展開したところ、特定の反応で高い触媒活性を示す錯体が導くことができた。
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