現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
嵩高いリン配位子である2,2'-ビス[ジ(3,5-キシリル)ホスフィノ]-6,6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル (Xyl-MeO-BIPHEP)を用いることで一置換ベンゼンのパラ位選択的ホウ素化反応を実現した。 さらに、確立した一置換ベンゼンのパラ位選択的ホウ素化を可能にする触媒反応を非対称1,2-二置換ベンゼンへと展開した。非対称1,2-二置換ベンゼンは、多くの有用有機化合物で見られる構造であり、インドールやベンゾチオフェンといった縮環型π共役化合物群もこれに属する。そのため、この分子骨格の位置選択的官能基化は有用分子群の開発研究に大きく貢献する重要な方法論である。有機材料開発を指向し、開発した反応を用いてπ共役系化合物の位置選択的ホウ素化を行った。その結果、キサンテンやフルオレン、ナフタレン、アントラセンといった有機材料に有用な化合物群に対し、他の手法では達成困難な位置選択的官能基化を実現した。 これらの実績は当初の計画を上回るものである。
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