研究課題
本課題では不斉源として円偏光のみを用い、光学活性な化学物質を使わずにラセミ高分子から光学活性な高分子を得た後、光により生成したキラリティを不斉源とした触媒的らせん選択重合(HSSP)による、高光学純度の片巻きらせん高分子の合成を実現するべく、各要素について研究を行った。具体的な内容については下記の通りである。1)円偏光によるラセミらせんポリマーのSCAT反応の最適条件を二つの水酸基とドデシルオキシル基を有するアキラルフェニルアセチレンをアキラル触媒系による重合により合成したポリ(DoDHPA)で検討し、らせん巻き方向選択分解の選択性を明らかにした。また、溶液中でのSCAT反応を達成した。2)イミン結合部位など配位部位をもつフェニルアセチレンモノマーのらせん選択重合により合成した片巻きらせんポリマーをキラル共触媒(不斉源)とし、このキラル共触媒とは異なる構造のモノマーのらせん選択重合を検討し、らせん選択重合ポリマー不斉触媒性を明らかにした。3)HSSP活性モノマーよりHSSPにより得られた光学純度の低いらせん高分子をキラル共触媒(不斉源)として用い、自己不斉増幅HSSP(低い光学純度の高分子触媒を用いて触媒自身よりも高い光学純度の触媒と同じ高分子を得る)および不斉転写増幅HSSP(低い光学純度の高分子触媒を用いて触媒自身よりも高い光学純度の触媒とは異なる高分子を得る(キラル転写))ことに成功した。4)低光学純度のらせん高分子をラセミ高分子への円偏光照射による合成する(円偏光によるキラリティの生成)ことができた。また、光学純度の低い片巻き優先らせんポリマーを不斉源とした触媒的不斉増幅重合反応(キラルの転写・増幅)により、不斉触媒とは異なるキラル高分子の合成を達成した。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (6件)
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