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2018 年度 実績報告書

フォトクロミズムによる応答差分検出に基づく高精度糖センシングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K05810
研究機関富山大学

研究代表者

遠田 浩司  富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (60212065)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード血糖値センサ / 差分検出方 / フォトクロミズム / 光リセット / 光応答性ゲル / オプティカルpHセンサ / オプティカルグルコースセンサ
研究実績の概要

低侵襲的に皮下間質組織液中の血糖値をモニターできるウェアラブル光学センサの精度向上を目指した、フォトクロミズムによる応答のon/off差分検出に基づく高精度糖センシングシステムを開発することを目的とし、1)中性pH領域で光異性化するフォトクロミックゲルの開発、2)光リセット型オプティカルpHセンサの構築と差分検出に伴う測定精度向上の検証、3)グルコース酸化酵素とスピロピラン共重合フィルムに基づくオプティカルグルコースセンサの構築と測定精度の評価を行なった。
1)スピロピラン/アクリルアミド共重合フィルムは、酸性pH領域では光異性化するものの、中性pH領域では光異性化が見られない。我々は共重合に用いるモノマーの種類について詳細に検討し、ヒドロキシペンチルメタクリレート(HPMA)等の水酸基を有するモノマーを用いることにより、中性pH領域でも光異性化可能なフォトクロミックフィルムを構築できることを見出した。
2)親水性高分子フィルム中では、スピロピランはメロシアニン型で存在し、試料溶液のpHに応じてその吸収スペクトルが変化する。また、このフィルムに可視光を照射すると速やかにスピロピランに異性化し、pHに対して不感化する。そこで、このスピロピラン共重合フィルムをオプティカルpHセンサとし、バックグラウンド光強度を変動させながらpH測定を行なった結果、差分検出により応答の繰り返し精度が極めて高くなる(1/100以下の標準偏差)ことを実験的に検証した。
3)開発したフォトクロミックフィルムにグルコース酸化酵素を固定化し、これを透過性制御膜で覆ったかたちのオプティカルグルコースセンサーを構築した。このセンサは、可視光照射によりグルコースに対する応答が消失する。このセンサは、差分検出により、バックグラウンド変動をほとんど完全にキャンセルしながらグルコースを検出することが可能である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 液膜型イオン選択性電極の検出下限向上のための膜表面戦場フローシステムの開発2018

    • 著者名/発表者名
      遠田浩司,細川直樹,Thi Hong Nhung DAO, 菅野憲
    • 雑誌名

      分析化学

      巻: 67 ページ: 239-247

    • DOI

      https://doi.org/10.2116/bunsekikagaku.67.239

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 低侵襲持続血糖測定システム構築のためのオプティカル糖センサーの開発2018

    • 著者名/発表者名
      遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
    • 招待講演
  • [学会発表] 光リセット能を有するオプティカルグルコースセンサーの開発2018

    • 著者名/発表者名
      小竹 俊哉,津田 翔平,菅野 憲,遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
  • [学会発表] 酵素と近赤外吸収色素に基づくグルコースセンシングビーズの開発2018

    • 著者名/発表者名
      鷹羽 佑太,菅野 憲,遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
  • [学会発表] アントラセン骨格を有する新規ビスベンゾボロキソール型グルコースレセプターの合成と評価2018

    • 著者名/発表者名
      小林 美月,北山和志,菅野 憲,遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
  • [学会発表] グルコースレセプター感受性近赤外吸収色素の設計と合成2018

    • 著者名/発表者名
      棚橋 祐斗,鷹羽 佑太,菅野 憲,遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
  • [学会発表] 中性pH領域で作動するセンサ応答リセット用フォトクロミックポリマーの合成及び評価2018

    • 著者名/発表者名
      津田 翔平,小竹 俊哉,菅野 憲,遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
  • [学会発表] 構造発色性ゲルを用いた生体分子を可視化検出するセンサーの開発2018

    • 著者名/発表者名
      桐山 絵美里,松本 浩平,菅野 憲,遠田 浩司
    • 学会等名
      日本分析化学会第67年会
  • [備考] 環境分析化学研究室

    • URL

      http://enghp.eng.u-toyama.ac.jp/labs/ac06/

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公開日: 2019-12-27  

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