研究課題
平成29年度に引き続き、硝酸系のRfの固液抽出実験を実施すべく、同族元素Zr、Hf並びに擬同族元素のThを用いた基礎実験を進めた。これまで実験を進めてきたAliquat 336という抽出剤が生産中止になっていたため、代価となるアミン系の抽出剤を用いて抽出実験を行い、迅速な化学反応に適した抽出剤の探索を行い、実際に見つけることに成功した。この点に関して学会発表などを行った。また、これら同族元素の化学挙動に関して、実際にどのような錯体が形成されているのか、化学結合の様子などを含めて理解を深めるために計算化学の取り組みを開始した。さらにその中で今後Rfの計算化学へ発展させていく可能性も模索し、Rfを対象とした計算も試みた。ただし、超重元素に対してはまだ計算環境の構築には至っていない。同族元素に対しては実験結果に対する考察において計算結果を用いるこでより深い議論ができている。加速器オンライン用の固液抽出装置の開発においては、実際に理化学研究所の加速器施設に装置を移送し、化学実験室の核反応生成物迅速搬送装置と連結した。さらに、実際に加速器を利用した核反応生成物を用いた加速器オンラインの固液抽出のテスト実験を行った。器具の更新などにより問題なく動作する状況を実現しており、オンラインの実験準備を整えることができた。また、前年度に行ったRfの溶媒抽出実験に関して、さらに解析、考察をすすめ、論文執筆を進めている。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件)
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences
巻: 18 ページ: 24-31
https://doi.org/10.14494/jnrs.18.24