本研究では、安価な紙・フィルム・テープから構成される新しい分析チップを開発し、液の滴下のみの操作で、発色と酵素免疫測定法による高感度検知に成功した。また、臨床分野の簡易検査におけるゴールドスタンダードのイムノクロマト法に比べて、100倍以上高感度に測定できることを実証した。途上国や緊急時の医療検査では、費用、耐久性、使い易さが大きな障害となっていたが、液の滴下だけの操作であれば専門知識のない人でも手軽に使えることから本法は実用化に向けて卓越したメリットがある。また多くの市販のキット組みわせることにより高い選択性と幅広い検査への展開も可能であるため、多様な学術分野への水平展開が強く期待される。
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