一酸化窒素(NO)は、生体内でシグナル分子として働いており、血管拡張や免疫系での研究は進んでいるが、神経系における作用については詳しい分子機構が明らかになっていない。 本研究では、NOのシグナル分子としての役割を解明するために、ラット由来細胞などを用いて、新規に開発された光応答性NO放出材料に対する応答を評価した。その結果、神経細胞突起のNO依存的な収縮応答を発見した。また、NO応答性Ca2+チャネルと、細胞内NO産出酵素が、アダプタータンパク質を介して相互作用することを突き止め、Ca2+とNOシグナルを効率よく増幅するメカニズムを見出した。更に、生体内でNOを検出するセンサーを開発した。
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