金ナノロッドは近赤外光を熱に変換する特性をもつことから、ガン細胞等に対するフォトサーマル療法への応用が期待されている。従来の金ナノロッドの合成法としては、細胞毒性をもつ界面活性剤CTAB を用いる方法が一般的であるが、金ナノロッドを医療分野に応用するためにはCTABの除去等、多段階の合成工程を経る必要がある。そこで本研究では、CTABの代替物としてCTAB分子構造を模倣したペプチドを用いる金ナノロッド合成法の検討を重ねて、CTABの濃度を従来の10%程度低減できることを明らかにした。本研究成果は、将来的にガン細胞等に対するフォトサーマル療法への応用へと繋げることができると考える。
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