研究課題/領域番号 |
16K05863
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
グリーン・環境化学
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研究機関 | 東京農業大学 (2017-2019) 東京大学 (2016) |
研究代表者 |
石井 大輔 東京農業大学, 生命科学部, 准教授 (70415074)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | バイオマスプラスチック / 芳香族化合物 / カフェ酸 / 芳香族ポリエステル / 溶融紡糸 / 繊維化 |
研究成果の概要 |
本研究課題では、植物バイオマスを原料とする、環境調和型の高分子材料および関連材料の開発プロセスを構築することを目的として、植物由来芳香族化合物の一つであるカフェ酸を用いた芳香族ポリエステルの作製および、特に炭素繊維製造への展開を見据えた溶融紡糸によるカフェ酸由来ポリエステルの溶融紡糸工程の検討を行った。その結果、カフェ酸のアセチル化および減圧加熱によるエステル交換反応により、カフェ酸に対してほぼ定量的にポリカフェ酸を得ることに成功した。さらに重合および溶融紡糸条件の最適化によりポリカフェ酸の連続紡糸に成功した。得られたポリカフェ酸繊維は引張弾性率2GPa,引張強度50MPaを示すものであった。
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自由記述の分野 |
バイオマス化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で検討を行ったカフェ酸のアセチル化および減圧加熱によるポリエステル化は、現在食品系廃棄物として大量に排出されているコーヒー粕を有効資源として利用できる可能性を示すものであり、かつその製造過程においては無水酢酸と微量の酢酸ナトリウムを必要とするのみで、かつ酢酸は重合過程において回収及び再利用が可能である。現状のバイオマスプラスチック製造システムにおいては副生物の発生や多段階反応が必要なことによる生産効率の低さが普及を妨げる要因の一つとなっているが、廃棄物から抽出可能な原料を有効活用できる本プロセスは今後のバイオマスプラスチック製造の一つの方向性を示すと言える。
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