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2016 年度 実施状況報告書

低侵襲投与が可能な高分子材料と細胞の相互作用による腎臓再生デバイスの創製

研究課題

研究課題/領域番号 16K05923
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

堀 秀生  藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 講師 (00342113)

研究分担者 北口 暢哉  藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (70508077)
新里 昌功  藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (80148288)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード再生医療 / 腎臓 / 不織布 / 幹細胞
研究実績の概要

不織布の医療用途への展開の一つとして、不織布材料と細胞の相互作用を活用し、不織布材料を用いた腎臓再生デバイスの創製を行っている。これまでに検討してきた細胞捕捉不織布デバイスは内視鏡を用いた埋め込み術を想定して検討してきたが、デバイスに流動性を持たせることによりカテーテルなどで投与が可能なデバイスへと改良を試みた。また、従来から検討してきた細胞捕捉不織布デバイスについてはより治療効果が高いデバイスを検討した。
1. デバイス設計:1)カテーテル注入可能なデバイスの検討: 天然高分子であるキチンおよびキトサンの粉体を用い、粉体とラット骨髄由来間葉系幹細胞(r-BMSC)の混合物を作成した。電子顕微鏡下で粉体にr-BMSCが接着していることを確認した。2)不織布を用いたデバイスの検討:キトサン不織布を用いたデバイスでは高効率に細胞を捕捉できることを確認した。
2.成長因子産生能を指標としたデバイス設計: 1)粉体/細胞混合物:キチン粉体/r-BMSC混合物およびキトサン粉体/r-BMSC混合物ははともに血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の産生能が亢進した。また、粉体量と細胞数の混合比について最適比があることも分かった。2)細胞捕捉不織布デバイス:r-BMSC捕捉キトサン不織布デバイスは、肝細胞増殖因子(HGF)の産生能が亢進した。
3.慢性腎不全ラットに対する粉体/細胞混合物の治療効果:慢性腎不全モデルラットの腎臓被膜下へキチン/r-BMSC混合物を注入した。しかしながら腎臓被膜下へ十分量の混合物を注入することが困難であり、十分な治療効果を得ることができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.カテーテル注入可能な流動性をもつ粉体/細胞混合物を構築できた。しかも、従来検討してきたポリ乳酸不織布粉体/細胞混合物よりも顕著にVEGFの産生能が亢進した。しかしながら、腎臓被膜下へ十分量を留置することが困難であり、デバイスの留置法に課題を残した。
2.細胞捕捉不織布デバイスとして細胞捕捉キトサン不織布デバイスを構築した。粉体/細胞デバイスと異なり、HGFの産生能が亢進することを見出した。しかも、慢性腎不全モデルラットの糸球体硬化の発症抑制効果が得られたポリ乳酸不織布と比較してHGFの産生能は顕著に亢進した。

今後の研究の推進方策

粉体/細胞デバイスにおいては十分量のデバイスを留置させることに課題を残したため、慢性腎不全モデルラットの治療効果が得られている細胞捕捉不織布デバイスを主として検討していく。
1.細胞捕捉不織布デバイスの治療効果の検討;成長因子産生能を指標として構築した、r-BMSC捕捉キトサン不織布デバイスはほぼ確立したので、デバイスの慢性腎不全モデルラットに対する治療効果を検討する。
2.細胞捕捉不織布デバイスの設計:ラット由来の幹細胞の成長因子産生能はほぼ把握することができたため、臨床応用へむけてヒト由来の幹細胞の成長因子産生能を指標としてデバイスを設計する。

次年度使用額が生じた理由

本年度残額が少額であったため、次年度に使用することとした。

次年度使用額の使用計画

1.細胞捕捉不織布デバイスの治療効果を動物実験で確認するため、実験動物、実験動物用飼料、腎機能評価用試薬、病理標本作成用試薬などの購入費。2.臨床応用へ向けたデバイスを設計するために、細胞、細胞培養試薬およびピペットなどの消耗品、成長因子測定用試薬などの購入費。3.学会発表と本研究に関わる最新情報入手(旅費、学会参加費など)4.論文発表のための英文校正、別刷費など。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 組織再生促進デバイス:細胞と天然高分子粉体との混合物による成長因子産生能の検討2016

    • 著者名/発表者名
      堀秀生, 新里昌功, 新美元, 長尾静子, 比企能之, 北口暢哉
    • 学会等名
      第54回日本人工臓器学会大会
    • 発表場所
      米子
    • 年月日
      2016-11-23 – 2016-11-25

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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