現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は, 【1】インターカレーション電極の界面構造制御,【2】光インターカレーション現象の実証,【3】光充電の可能性追求を目指して,以下を推し進めている.(i)電極/電解質界面の構築, (ii)構造評価, (iii)光電気化学特性評価, (iv)構造変化のその場観察, (v)界面反応機構解明, (vi)デバイス形態の模索.このうち,平成28年度は主に(i)-(iv)について実施,測定手法を確立したうえで,29年度以降に(v)(vi)を加速し,現象開拓を目指すことを当初計画とした.平成29年度は,「研究実績の概要」のとおり,28年度に構築したモデル固液界面は,光照射に不安定であり系統的な解析が困難であることが課題となった.方針を転換し,固固界面でモデル系の再構築を行った.得られた固固界面は極めて良好に電気化学反応が進行し,光照射にも安定であった.固液界面の光応答性,安定性という障壁が解決されたことで,光電気化学反応解析は確かに進捗したことで,年間通じての進捗状況は計画通りといえる.30年度に光電気化学特性の定量解析,構造解析を進めることで,(v)-(vi)についても達成できると考える.以上より,「おおむね順調に進展している」.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度に完成したモデル界面を活用して,研究実施計画で示した実施項目(v)界面反応機構解明, (vi)デバイス形態の模索について取り組む.具体的にはいずれも研究実施計画で示した実施項目であり,これらを着実に進めることで目的が達成されると考える.(v) 界面反応機構解明:界面構造観察で作成したエネルギー準位図と光インターカレーション活性の相関を解析することで,光インターカレーション反応の検証および材料探索に必要な指針を明らかにする. (vi) デバイス形態の模索:光インターカレーションを利用した蓄電池の可能性を検証する.光電極の光起電力,対極の電極反応電位,反応過電圧を評価の基軸として,光充電可能な電極の組み合わせを模索する.対極には金属,酸化物電極(インターカレーション電極)を,電解質には電位窓が広く酸化還元耐性に優れた有機電解液を検討する.
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