シリコン基板表面に集束イオンビーム(FIB)を照射後、塩化金酸水溶液を接触させると照射部に選択的に金が成長する。この現象のメカニズムを理解する目的で飛行時間型二次イオン質量分析法を用いて金成長後のシリコン表面を分析した結果、金成長に伴いFIB照射部周辺において数10マイクロメートル以上にわたり非常に薄い1ナノメートル弱の酸化膜厚増を確認した。 本手法を用いて市販の原子間力顕微鏡用探針の先端に選択的に金ナノ粒子を成長させた。その際、塩化金酸水溶液に塩化ナトリウムを加えることで金ナノ粒子の成長をさらに制御した。同探針を用いてナノスケールでのラマン分光測定にも成功した。
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