本課題にて展開した塗布型有機薄膜太陽電池には分子構造の設計自由度を生かした様々な有機半導体高分子が用いられている。軽量かつ低コストなエネルギーデバイスの実現に向けて、その光電変換特性は着実に向上している一方、有機半導体自身の光劣化に関する研究は少ないのが現状である。本研究では、分光分析法を用いて、有機半導体高分子の光劣化メカニズムの解明を試みた。その結果、疑似太陽光照射による有機半導体高分子の光劣化に伴う分子構造変化およびその定量的な変化の解明に成功した。本研究にて用いた解析手法を他の有機半導体高分子に適用することにより、高耐候性を有する光電変換材料の分子設計指針が期待される。
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