アナターゼ相はイオン移動に適した三次元的な拡散経路を有するため,多くの研究がなされてきたが,国内ではルチル相に焦点を当てた研究は皆無であった.この背景の下,本研究ではルチル型TiO2にNbをドープすることで電子伝導性の低さを克服し,そのうえで粒子サイズに対する結晶子サイズの割合を高めることで,潜在的なイオン拡散能を開花させNa+充放電特性を発現させることに世界で初めて成功した.その学術的意義を裏付けるように,成果をまとめた論文(ACS Appl. Mater. Interfaces, 7 (2015) 6567.)の被引用数は発表後4年間で120回を超え,国内外で著しく高い注目を集めている.
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