研究課題/領域番号 |
16K05969
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
中尾 航 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (60361870)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | インテリジェントデバイス / 化学反応 / 水素エネルギー |
研究実績の概要 |
アクチュエータ動的特性の理解と実験パラメータの確定を様々な文献調査を行った。また、動的の特性に最も大きな影響を与えると考えられる水素貯蔵合金中の水素拡散挙動と外力の関係FEM解析を実施した。過去の水素貯蔵合金パイプからの水素拡散の実測データに関する既報論文を参照することで、FEM解析を実施する上での初期条件、境界条件を定性的に定義することで、水素貯蔵合金にかかる応力と水素拡散の相関関係を明らかにした。 提案書どおり、本研究を推進する上での実験装置を設計、作製を行い、その特性、操作方法の確立を行った。実験装置の作製と同時に、Pd粉末を実験試料として用いることで、外力とアクチュエータ特性との相関を得ることに成功した。さらに、LaNi5粉末においてもアクチュエータ動的特性の測定を実施した。具体的には、稼働水素分圧を変化させて、その際のアクチュエータ特性を系統的に測定を行った。得られた変位速度の経時変化から、表面反応律速段階と水素の内部拡散段階へ変化していく挙動を実測することに成功した。また、得られた経時変化のプロファイルから、最大変形速度、平均変形速度および初期変形速度などを系統的に得ることに成功した。 これら得られた実験結果より、それぞれの水素貯蔵合金の平衡水素分圧と稼働水素分圧の差をパラメータとして水素貯蔵合金アクチュエータの動的特性の支配因子を表面反応律速から拡散律速へ推移する挙動を表現したアクチュエータ特性挙動マップを作成することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度に実施予定であった内容はすべて終了し、さらに、平成29年度以降に実施予定であった水素貯蔵合金のアクチュエータ特性の測定に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
提案書どおり、これまでの進捗状況をさらに発展させ、合金組成とアクチュエータ特性との相関を実施し、これらの支配因子と材料特性因子との相関性を解析する。
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