化石エネルギーの代替物として水素が注目され,燃料電池自動車の実用化が現実のものとなっている.しかし,輸送機械において,水素貯蔵の困難さという問題が完全に解決したわけではなく,むしろ今後の問題として残されている.本研究は水素を固体に貯蔵する材料の性能を改善する方法を示している点で,液相や気相で保存する他の方法に対して安全性に多くの利点を有する材料の開発・実用化に貢献する結果となっている.特に,水素放出温度が200℃以下となることで,エンジンの排熱利用が可能となり,輸送機械の燃費の向上にも貢献できる.
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