研究課題/領域番号 |
16K06000
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
山本 武幸 茨城大学, 工学部, 技術職員 (40396594)
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研究分担者 |
清水 淳 茨城大学, 工学部, 教授 (40292479)
小貫 哲平 茨城大学, 工学部, 准教授 (70400447)
周 立波 茨城大学, 工学部, 教授 (90235705)
尾嶌 裕隆 茨城大学, 工学部, 准教授 (90375361)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 機械工作・生産工学 / 材料加工・処理 / 放電加工 / 付加加工 / 硬質皮膜 / 切削 / トライボロジ― |
研究実績の概要 |
本研究では,従来用いられている切削工具へのコーティング手法とは異なり,窒素,酸素などの雰囲気中において,直径数十~数百マイクロメートルのチタンやアルミニウムといった金属電極を所望の軌跡で走査しつつマイクロ放電付加加工し,窒化チタンや酸化アルミニウムなどの硬質薄膜を所望のテクスチャ構造で高速度鋼や超硬合金などの切削工具表面に被覆するという合理的かつ斬新な手法により,高密着性の硬質膜テクスチャコーテッド工具を開発する.そこでは,開発工具を用いた金属材料の実切削性能評価を通じた検証も実施する. 平成28年度は,まず,ガス中走査型マイクロ放電付加加工環境の整備として,NC制御型高精度放電加工装置の加工ステージを,ガス密閉のためにフレキシブルな密閉ケースで囲むとともに,ガス供給のための各種機器を導入し,ガス雰囲気中における走査型マイクロ放電付加加工システムを構築した. 次に,ガス中走査型マイクロ放電付加加工データベースの取得を目指し,窒素+酸素(大気)と比較のための不活性ガス(アルゴン)雰囲気において,チタンおよびアルミニウム製の細電極を用いて鉄鋼材料を対象に,放電および電極送り条件を数段階に変化させつつ,深さ(高さ)方向送りのみの場合と,深さ(高さ)方向および横(面内)方向送りを加えることにより,簡単な皮膜加工実験を実施した.その結果,加工雰囲気および放電条件と,創成された放電皮膜の堆積状態との関係が収集できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
まず,ガス中走査型マイクロ放電付加加工環境の整備が完了できた.次に,ガス中走査型マイクロ放電付加加工データベースの取得がある程度実施できた.ただし,純粋な窒素および酸素雰囲気での加工データ収集が完了してはいないため,少し遅れているとの評価に至った.
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度に完了できなかった,純粋な窒素および酸素雰囲気での加工データ収集を早急に実施した上で,平成29年度の予定のとおりに,硬質薄膜の基本特性評価(データベースへの追加)をした上で,その情報を基にして硬質薄膜テクスチャ付き工具の製作に取り組む方針である.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度の研究の結果,金属粉体を凝結させた電極で放電付加加工する方が,より効率的に皮膜加工できる可能性が生じてきたことから,平成29年度に粉体の凝結による電極の製作環境の整備(装置周辺の整備や材料や型などの整備)をし,皮膜製造に対しより好適な環境で研究を継続すべきと判断し,予算を繰り越す判断に至ったためである.
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次年度使用額の使用計画 |
早期に繰り越した予算を使用し,金属粉体を凝結させた電極の製作環境を整備する.そして,金属粉体の凝結による電極を製造した上で各種ガス環境下において放電付加加工による皮膜形成実験を実施していく.
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