研究課題
本研究では、放電創成加工法とWEDG法の利点を併せ持つワイヤ放電ミーリング法を開発し、工具形状が変化しない形彫放電加工の実現を目指している。本研究で提案する加工手法では先端が半球状のワイヤガイドを用い、ガイドに走行ワイヤを沿わせながら、ガイドを回動させることにより、ボールエンドミルを使用した場合と同様の形状加工を放電加工で実現することが出来る。またこの際、通常の放電加工では、電極の消耗により、加工形状に崩れが生じるが、本加工手法では走行ワイヤを電極とするため、電極形状の崩れが直接加工形状に影響を与えることが無く、電極の消耗を考慮する必要がないという特徴を有している。本年度は絶縁性Si3N4セラミックスに対してワイヤ放電ミーリング加工を実施した。しかしながら、加工中にワイヤ電極が断線に至った。加工面には加工されずに残留したセラミックスが確認された。残留したセラミックスに対しては放電が発生しないため、導電性被膜が形成されずワイヤ電極とセラミックスとが接触し、ワイヤ電極が断線に至ったと考えられる。そのため、安定した加工を実現するためにはセラミックス表面に安定した導電性被膜を形成することができる放電波形の制御方式が必要であると考えられる。そこで、放電の発生を検出する放電検知電圧の設定を高くし、かつ放電持続時間を長パルス放電と同等レベルの値まで長く設定した状態で加工することで安定した導電性被膜の形成が実現できる加工方式を見出した。
2: おおむね順調に進展している
安定した加工状態を維持することができる波形制御方式を見出すことができた。この制御方式は他の高抵抗材料に対する加工にも応用することができると考えられる。
本放電波形制御の効果について検討を行なう。DF,放電時間を変化させたときの表面状態についての観察を行なう予定である。
所属機関から研究費が配分された為。
翌年度分として請求した助成金は当初計画していた各種実験などに使用する予定である。
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Procedia-CIRP Annals-Manufacturing Technology
巻: 42 ページ: 201-205
10.1016/j.procir.2016.02.271
巻: 42 ページ: 521-525
10.1016/j.procir.2016.02.244
電気加工学会,50巻,124号,pp.112-118(2016)
巻: 50 ページ: 112-118