機械を設計するには,対象とする機械が要求された性能を発現するように,その機械の構成部品の属性(例えば,形状やその精度など)を決定する必要がある.ただし,その属性は実現できるものに限られる.具体的には,部品は一般に機械加工により製作されるため,機械加工の能力の限界を越えないものに限られる.このことは機械設計の基本であるが,同時に機械加工の能力限界が機械設計の自由度を阻害しているともいえる.この問題を解決するには,機械加工の能力限界を打破すればよい.そこで本研究では,現在の穴加工では不可能とされてきた,穴の内面に対する穴の加工を実現するとともに,加工可能な穴形状の自由度の拡張に成功した.
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