研究課題/領域番号 |
16K06027
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
廣垣 俊樹 同志社大学, 理工学部, 教授 (80275172)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ロボット / 制御 / ハンドリング |
研究実績の概要 |
次世代のファクトリーオートメーション技術の一つとして,産業用ヒト型双腕ロボットの両腕で作業プレートを支持する姿勢でのプレート上の物体のグラスプレス・ハンドリングを提案して研究の対象とする.鉛直軸をZ軸とし作業プレート水平面を構成するX軸およびY軸回りの2軸の旋回運動の組み合わせ動作に着目して研究を進める.すなわち作業プレートのプレート操り動作として,ロールおよびピッチ運動を対象とする.具体的なグラスプレス・ハンドリングとして,プレート上にボールを置き,プレートの傾きによるボールの転がり運動の制御とする.作業プレートとしてアクリル板を用い,プレート上(600×450mm)にボール(直径20mmの鋼球)を配置して,2軸の旋回運動の組み合わせでボールに転がりリサージュ運動(角速度の周期1~5s,リサージュ図形の対角最大径200mm)を遂行するケーススタディを題材にして研究を進める.ロールおよびピッチ運動の角度として最大角度1~5度とした正弦関数で角速度ωおよび同様の正弦関数で角速度2ωを同期させる手法に取り組み,ロボットの両腕の協調動作より生じるロール・ピッチ運動の周波数応答特性の差を解明することができた.そこで,その周波数特性差に起因する問題をシミュレーションおよび産業用ヒト型双腕ロボットを用いた実験の両面から検討して,グラスプレス・ハンドリングの技術として有効なフィードフォワード補正法を提案した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
産業用ヒト型双椀ロボット,作業プレート,対象とするボールの準備・導入は終了しており,グラスプレス・ハンドリングの研究に着手できる体制は完了している.また運動方程式のシミュレーションソフトの準備も完了しており,入力となるプレート旋回運動とプレート上のボールの転がり運動に関する伝達関数の算出のための準備も完了している.現状,予定していたハード・ソフト面とも順調な進捗である.シミュレーションおよび実験により,リサージ転がり運動を具現化するために重要と考えられるプレート操りにおけるロール・ピッチ運動の基礎的なレベルでの周波数応答特性の差の解明も進み,2軸の周波数特性差が2倍になる場合に関して,そのフィードフォワード運動補正法を提案することができた.
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今後の研究の推進方策 |
運動方程式のシミュレーション(伝達関数)に関しては十分な進捗がある一方,双腕ロボットを用いたプレート操りの実験には多くの工数を要しており,その進捗に若干の遅れが生じている.特に産業用ヒト型双腕ロボットのプレート把持部にバックラッシュなどの非線形要素が存在しており,その影響や問題の切り分けと改善に時間を要している.多体ボール制御の問題に着手したい所であるが,多体ボール間の干渉問題を扱うにはより精度の高いプレート操り実験が不可欠であり,把持部バックラッシュなどの誤差要因を最小化した後に検討する段取りを予定している.
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は実験において,双腕ロボットのプレート把持部におけるバックラッシュなどに起因する非線形問題が顕在化してしまった.そのため,実験に遅れが生じて関連する内容のデータ整理のための人件費・委託費および実験用の消耗品等が予定より若干少ない執行額となった. 今後の使用計画は,シミュレーションは当初の予定通りに順調に遂行できている.実験は想定以上に非線形性に起因する外乱が大きいことが判明してきた.問題点は明確になりつつあり,それらに起因する誤差を考慮した実験方法を再検討し,次年度の執行は申請当初の予定額に達する見込みである.
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