| 研究課題/領域番号 |
16K06028
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| 研究機関 | 龍谷大学 |
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研究代表者 |
小川 圭二 龍谷大学, 理工学部, 講師 (80405232)
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| 研究分担者 |
田邉 裕貴 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (00275174)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | レーザ / 焼入れ / 変形 / 高精度 |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題では，エッチング刃（極小刃を有する薄板部品）やミニチュアガイドレールなどの薄物小型部品に対して，刃先部や転動体接触部など製品特性として必要な個所だけに均一な高硬度分布を形成することと，部品としての高形状精度を両立すること，そしてこれを低環境負荷で製造する工法を確立することを最終目的としている．平成28年度は，本研究課題で提案しているダミー照射法を用いた新工法，すなわち焼入れ硬化と変形矯正の両立をレーザのみで実現する手法について，ミニチュアガイドレールの場合を想定した取組みを実施した．ダミー照射を行う前段階として，まずはレーザ照射条件が焼入れ硬化領域と変形挙動に及ぼす影響について検討した．ミニチュアガイドレールの材質としてよく用いられるマルテンサイト系ステンレス鋼は，他のガイドレールに多用される一般構造用炭素鋼と比較して焼入れ処理が難しい．そこで，材料物性を考慮して，線状ビームをビーム長手方向に走査照射することを考案し，これにより良好な焼入れが可能であることを工作物平面部での評価により実証した．次に，製品として焼入れ硬化処理が必要な転動体接触部の溝部に対しては，溝の配置（工作物の熱容量の非対称性）を考慮して，レーザ走査位置をオフセットすることが有効であることを明らかにした．このとき生じた工作物の変形挙動を調べ，提案するダミー照射法が有効であることを示唆する実験結果が得られた．すなわち，工作物対面に存在する溝に対しては，同一条件にてレーザ照射することで変形をほぼ相殺し，溝位置の非対称性に起因する方向の変形矯正にダミー照射を行うことが望ましいことが示唆された．なお，これらと並行して，有限要素法による温度シミュレーションを進め，これにより硬化領域の予測が可能であることを実験結果と比較することで明らかにした．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題では，エッチング刃やミニチュアガイドレールなどの薄物小型部品に対して，刃先部や転動体接触部など製品特性として必要な個所だけに均一な高硬度分布を形成することと，部品としての高形状精度を両立すること，そしてこれを低環境負荷で製造する工法を確立することを最終目的としており，平成28年度は，ほぼ研究計画通り，おおむね順調に進展した．すなわち，(1)レーザ照射条件が硬度分布および変形量に及ぼす影響の明確化，(2)均一な高硬度分布形成と変形レスを両立するレーザ照射条件パラメータの組合せ最適化を進め，(1)については，実験と理論の両面から，レーザ照射条件が硬度分布に及ぼす影響を明らかにし，変形については，実験により有益な知見を得た．また，(2)については，実験により，提案するダミー照射の効果を示唆する結果が得られた．
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き，平成29年度も研究計画通りに研究を遂行する．具体的には，ダミー照射法を用いた提案工法の有効性の実証として，平成28年度に実施した内容をもとにダミー照射条件と本照射条件の組合せを検討し，実証試験を実施する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
34764円の次年度使用額が生じた．これは，研究分担者とともに，物品費の節約に努め，旅費の支出を必要最小限度に抑えることができたことが主たる理由である．
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| 次年度使用額の使用計画 |
主として，物品費と旅費に充当し，実験結果の信頼性を増すための実験資材購入や研究分担者（学外）との共同実験や綿密な打ち合わせのための旅費に使用する．
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