研究課題/領域番号 |
16K06036
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
岩崎 渉 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 研究員 (20712508)
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研究分担者 |
佐藤 直子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 研究員 (00712481)
中野 禅 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 研究グループ長 (50357646)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 電気化学 / イムノクロマトグラフィー / 多孔質金属 |
研究実績の概要 |
本年度は、電極に求められる構造を検討するとともに、その構造を積層造形で作製する方法を検討した。電極の構造は、毛細管現象を発生させる穴があることと、反応場を稼ぐために比表面積の高い方が望ましい。構造の検討では、チタン合金の粉末焼結多孔質シートを用いた。多孔質シートは、気孔率が約60%であり、空隙の大きさは楕円近似すると長軸が37μm、単軸が19μmであった。積層造形では、昨年度は加工条件(投入エネルギー量)を変化させて空隙率を変化させることを検討した。しかし、毛細管現象を生じるほど微細な構造を得ることが難しかったため、本年度は水素化チタンを添加し、加熱時にガスを発生させて気孔を生成させるプリカ―サ法を検討した。その結果、プリカーサ法を用い、かつ加工条件を最適化することにより、空孔の構造を制御できる可能性が示唆された。しかし、空孔サイズは今回検討した条件では粉末焼結多孔質シートの空孔サイズよりも大きく、今後検討が必要である。 作製した造形物への金コーティングを試みた。当所の予定通り金コロイド液に浸漬し、加熱することで金ナノ粒子を固着させてコーティングすることを試みたが、造形物全体を被覆することは出来なかった。また、スパッタリングにより金のコーティングも試みたが、造形物表面しかコーティングできず、造形物内部をコーティングすることは難しかった。今後はメッキなどにより子ティングする方法を検討する。 また、イムノクロマトグラフィーに電気化学的手法を導入する方法に関して、電極配置の関係や、ニトロセルロース内を流れる流体挙動に関して調査し、電気化学信号は時間の6乗根に反比例することがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
作製方法は当初の予定とは異なるが多孔質金属を作製し、次年度の予定である金のコーティング方法についての検討を開始した。また、イムノクロマトグラフィーに電気化学的手法を導入する際にはその電極配置や流体挙動の理解が重要である。多孔質電極の作製と並行して上記の点に関しても研究を進め、ニトロセルロース内を流れる流体挙動に関して調査し、論文報告した。
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今後の研究の推進方策 |
コロイド法、スパッタリング法、めっき法等を用いて作製した多孔質金属への金や白金のコーティング法を確立する。また、電気化学イムノクロマトグラフィーに応用するための多孔質金属の造形についても、積層造形法やチタン合金の粉末燒結など、多角的な方向から最適な構造の多孔質金属の造形を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
多孔質金属体作製に関わる材料を所内予算で購入した材料で代用できたため、消耗品費が少なくなったため。また、進捗は順調であり、今後は条件出し作業が重要となってくるため、次年度にまとまった期間でテクニカルスタッフを雇用し、研究の迅速な推進を図りたかったため、無駄な予算の使用は控え、次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
上記のように材料は足りており、今後は条件出し作業が必要になってくるため、必要な期間テクニカルスタッフを雇用し、研究の迅速な推進を図る。
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