研究実績の概要 |
本研究での積層ダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータの誘電エラストマーは紫外線を照射することで硬化する2液性PDMS(polydimethylsiloxane)を用いて製作する.そして,柔軟性電極は柔軟性と導電性が優れているPEDOT:PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene)polystyrene sulfonate)に紫外線照射により硬化する特性を加えた紫外線硬化性PEDOT:PSSを用いて製作する.紫外線硬化性PDMSと紫外線硬化性PEDOT:PSSはマスクを用いてパターニングすることができる特徴がある. 本年度は紫外線硬化性PDMSにBaTiO3粒子を添加することで比誘電率を高め,またシリコーンオイルを添加しヤング率を下げることにより,誘電エラストマーアクチュエータの性能向上を図った.結果を下記のように述べる. ・誘電エラストマーのヤング率を低下させるためにUV硬化性PDMSにシリコーンオイルを添加した誘電エラストマーアクチュエータの変位が大きくなることと,立ち上がり時の応答性が向上することを実験的に確認できた. ・誘電エラストマーの比誘電率を高くするために,UV硬化性PDMSにBaTiO3粒子を添加した誘電エラストマーアクチュエータを試作して特性実験を行ったが,高性能化には至らなかった.これは,BaTiO3粒子を添加したことによってUV硬化性PDMSのヤング率が高くなったためであると考えられる. 積層ダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータを用いた高性能μ-TASデバイスの開発は課題になっている.
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