研究課題
基盤研究(C)
転がり軸受などの機械要素の潤滑状態である弾性流体潤滑(EHL)下における油膜挙動を把握することを目的とし、球と円板からなるEHL接触下の計測法改良および挙動解明を進めた。接触面に垂直な運動での油膜閉込め現象の油膜厚さと速度、等価半径、弾性係数、油性状等の関係を調査し、膜厚計算式を提案した。グリースは極低垂直運動で、増ちょう剤による厚膜を形成すること、その膜を介した滑り運動の摩擦係数は増ちょう剤種によって大きく異なることを明らかにした。
機械工学、トライボロジー
垂直運動EHL下の油膜厚さの計算ができることで機械要素の作動状態を予測でき、機械の設計における事前評価が可能になる。グリースが極低速で厚膜を形成すること、極低速垂直運動で増ちょう剤膜の特性を評価することでグリース評価、開発に貢献することができる。潤滑下で作動する機械要素の性能を左右する油膜挙動の把握を行うことで、省エネルギー・省資源につながる機械要素の性能向上・寿命改善が可能になる。