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2017 年度 実施状況報告書

接触する大変形回転体の解析的摩耗進展モデルの開発と改良技術の提案

研究課題

研究課題/領域番号 16K06049
研究機関工学院大学

研究代表者

中島 幸雄  工学院大学, 先進工学部, 教授 (10594070)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード摩耗モデル / タイヤ / 摩耗進展
研究実績の概要

平成29年度は、平成28年度に開発した接触する大変形回転体における解析的摩耗モデルに関して、次の内容を進展させた:①実際の使用時に大変形回転体にかかる入力を予測する、②時々刻々変化する入力を考慮して摩耗を予測する、③路面の摩耗への影響を考慮するために、路面の凹凸を計測できる持ち運び可能な装置を開発する、④路面凹凸の摩擦係数への影響を実験で計測する。そして、その成果の一部を日本機械学会で発表した。
①については、例題として車に装着されているタイヤへの入力を予測するために、車両運動のシミュレーションソフトCarSimを用いて、定めたコースを定められた速度で走行した時の入力を予測した。②については、予測した入力の時刻歴データを入力の頻度分布に変換し、各入力において解析的摩耗モデルを用いて摩耗エネルギを予測する。そして、両者を掛け合わせ、入力で積分することによって任意のコースを走行した時の摩耗を予測できるようになった。③については、スポット径の小さいレーザーを用いて路面凹凸を計測するポータブルな試験機を作成した。④については、数種類の粗さの異なる路面を作成し、路面凹凸による摩擦係数のスリップ率依存性への影響を計測した。
開発した解析的摩耗モデルを用いて、摩耗に対する設計要因(横バネ定数、トレッドの面内曲げ剛性、入力の大きさ、トレッドゴムのモジュラス)の影響を検討し、入力の大きさとゴムのモジュラス(ブロック剛性)の影響が大きいことが分かった。また、摩耗末期にはブロック剛性が大きくなるため摩耗し難くなることがモデルで再現できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度の目標である「解析的摩耗モデル開発の継続と実験、FEMと比較し予測精度の検証(例題はタイヤ)を行う」に対し、おおむね順調に進展している。研究実績の概要の述べたように、当初の予定通りに従来の解析的摩耗モデルに関して五つの内容を進展させた。その成果として、2017年12月に第26回交通・物流部門大会 TRANSLOG2017で発表することができた。また、解析的摩耗モデルを用いてタイヤを例題にして、摩耗に対する設計要因の寄与を明らかにした。

今後の研究の推進方策

平成30年に予定している研究内容は「隣り合う摩耗領域との相互作用を含めたモデルを考慮した解析的摩耗進展モデル開発の継続と実験、FEMと比較し予測精度の検証(例題はタイヤ)を行う」である。第一に、路面の摩耗への影響を考慮するために、凹凸のある路面でのゴムの接触滑り解析によって路面凹凸と摩擦係数及び摩耗仕事量との関係をFEMと実験により把握する。第二に、滑りの予測精度を高めるために、隣り合う領域との相互作用を解析的摩耗モデルに含めるようにモデルを発展させる。第三に、検討結果を開発した解析的摩耗モデルに組み込む。第四に、解析的摩耗モデルを用いて摩耗の改良手法の提案を行う。

次年度使用額が生じた理由

消耗品に充当できない少額が残った。来年度に使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] タイヤの解析的摩耗進展モデルの開発と改良技術の提案2017

    • 著者名/発表者名
      石渡 淳恭, 中島 幸雄
    • 学会等名
      日本機械学会,第26 回 交通・物流部門大会 ・物流部門大会(TRANSLOG2017)

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公開日: 2018-12-17  

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